本作は、清掃員として潜入した“実は社長”の主人公が、パワハラ・差別・不正が蔓延する職場の実態を暴き、最終的に腐敗した役員たちを一掃し、企業改革を成し遂げる“逆転スカッと劇”です。
- 前半:理不尽・差別・隠された不正(感情を揺さぶる展開)
- 中盤:証拠収集と葛藤(視聴者が応援したくなる構造)
- 後半:正体を明かして制裁→会社改革(圧倒的カタルシス)
✅ 構成:起承転転結+感情の起伏+視聴者がスカッとするラスト構成
✅ 演出:セリフ中心+ナレーション+映像化を前提としたカット設計
キャラ名 | 役割・性格 |
高主 誠(たかぬし まこと) | 主人公。清掃員として潜入した次期社長。誠実で冷静。 |
悪田部長 | 悪役1。パワハラ常習者。清掃員を人として扱わない。 |
黒川課長 | 悪役2。経費不正・裏金づくりの首謀者。 |
冷野人事部長 | 悪役3。労災隠蔽やセクハラ黙認を続ける管理職。 |
古橋さん | 60代のベテラン清掃員。現場の実情を知る良心的存在。 |
社員たち | 大半が見て見ぬふりをする傍観者たち。一部に味方あり。 |
🧮 文字数・構成詳細
セクション | 内容の要約 | 文字数(概算) |
シーン1 | 高主が清掃員として差別を受ける導入 | 約1,000文字 |
シーン2 | 舞台設定・現場の格差や構造を描写 | 約1,000文字 |
シーン3 | パワハラの発生、会社の病巣に迫る | 約1,000文字 |
シーン4 | 不正の発見と記録、古橋さんとの交流 | 約1,100文字 |
シーン5 | 証拠収集の完了・逆転準備 | 約1,000文字 |
シーン6 | 正体を明かし、悪役を制裁 | 約1,500文字 |
シーン6(追記) | 悪役たちの“その後”の転落描写 | 約800文字 |
シーン7 | 改革後の会社と主人公の未来、感動的な結末 | 約1,000文字 |
合計 | スカッと系ドラマ台本全体構成(セリフ中心) | 約7,400文字 |
シーン1:高主の紹介と差別の始まり
キャラ | セリフ |
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ナレーター(高主) | 俺の名前は高主誠(たかぬし まこと)。 |
ナレーター(高主) | 父はこのビルに本社を構える、 |
ナレーター(高主) | アステリアソリューションズの創業者――高主雅也。 |
ナレーター(高主) | そして俺は、その後継者として、 |
ナレーター(高主) | 今期から社長就任が予定されていた。 |
ナレーター(高主) | でも、父は就任の直前、 |
ナレーター(高主) | 俺にこう告げたんだ。 |
高主雅也(回想) | 「お前がこの会社のトップになるなら、 |
高主雅也(回想) | 一度“現場”を見てこい。 |
高主雅也(回想) | 報告書や会議室じゃ、 |
高主雅也(回想) | 社員の本音も問題も見えてこない」 |
ナレーター(高主) | だから俺は、身分を隠して、 |
ナレーター(高主) | この会社に“清掃員”として潜り込んだ。 |
ナレーター(高主) | 会社の業務委託先に名前を伏せて登録し、 |
ナレーター(高主) | ボロい作業着とモップを手にして働いてきた。 |
ナレーター(高主) | 今日でちょうど、潜入3週間目。 |
ト書き | (場面:アステリアソリューションズ本社1F、廊下) |
ト書き | (高主がモップを押しながら、 |
ト書き | 床を静かに磨いている) |
社員A(女性) | 「ちょっと、邪魔なんだけど? |
社員A(女性) | 通れないでしょ」 |
ト書き | (ヒールの音を立てながら、 |
ト書き | 不機嫌そうに高主の横を通り抜ける) |
社員B(若手男性) | 「またアイツ?もう2週間は居座ってんじゃね? |
社員B(若手男性) | 掃除も雑だし、使えねぇ…」 |
ト書き | (複数の社員が笑いながら去っていく) |
ト書き | (高主、無言で床を拭き続ける) |
ナレーター(高主) | 誰も気づかない。 |
ナレーター(高主) | この“清掃員”が、次期社長であることに。 |
ナレーター(高主) | それでいい。 |
ナレーター(高主) | 俺は、社員たちが普段どんなふうに働き、 |
ナレーター(高主) | どう扱われているか―― |
ナレーター(高主) | この目で見届けに来たのだから。 |
ト書き | (そこへ、悪名高い部長・悪田が登場) |
悪田部長 | 「おい、清掃員!まだそこ拭いてんのか? |
悪田部長 | 邪魔なんだよ。 |
悪田部長 | 仕事してる人の気持ち考えろっての。 |
悪田部長 | ああ、いいよ、お前には分かんねぇか。 |
悪田部長 | どうせ雑巾がけしかできねぇんだからな!」 |
ト書き | (その場に居た社員たちがクスクス笑う。 |
ト書き | 高主は何も言わずに頭を下げる) |
ナレーター(高主) | ……見下すことでしか、 |
ナレーター(高主) | 自分を保てない人間。 |
ナレーター(高主) | だが、そういう人間に支配されている、 |
ナレーター(高主) | この会社の現実も、知るべきだ。 |
ナレーター(高主) | あと少しで終わる。 |
ナレーター(高主) | 俺の“調査”も。 |
ナレーター(高主) | そして、この会社の“闇”も。 |
シーン2:舞台設定と主人公紹介
キャラ | セリフ |
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ナレーター(高主) | この会社「アステリアソリューションズ」は、 |
ナレーター(高主) | 業界でも指折りの大企業。 |
ナレーター(高主) | 社員数は1,200人以上。 |
ナレーター(高主) | 国内外に複数の拠点を持つ。 |
ナレーター(高主) | だが表向きの華やかさとは裏腹に、 |
ナレーター(高主) | 現場では理不尽な“格差”が蔓延していた。 |
ト書き | (場面:社員食堂の入り口前。 |
ト書き | 清掃員は裏口に回される) |
社員C | 「あーあ、また清掃員が通る。 |
社員C | ニオイ、きっつ…」 |
社員D | 「社員食堂にまで入ってこないでほしいよな。 |
社員D | せめて休憩室、分けてくれないかな〜」 |
ト書き | (場面:地下の清掃員休憩室) |
ト書き | (高主、古橋さんたちと簡素なおにぎりを食べている) |
古橋(60代女性) | 「高主くん、あんた若いのに珍しいねぇ。 |
古橋(60代女性) | なんで清掃の仕事なんかを?」 |
高主(偽名で) | 「ちょっと家庭の事情で…学費も払えなくて。 |
高主(偽名で) | すぐに稼がなきゃならなくなって…」 |
古橋 | 「そっか…大変だったね。 |
古橋 | 無理しないようにね。 |
古橋 | ここは、あまり優しい場所じゃないから」 |
ナレーター(高主) | この1週間で、俺はいくつもの |
ナレーター(高主) | 差別的な言動を目の当たりにしてきた。 |
ナレーター(高主) | 契約社員と正社員。 |
ナレーター(高主) | ホワイトカラーと清掃員。 |
ナレーター(高主) | その“壁”は思った以上に分厚い。 |
ナレーター(高主) | そして、その空気を作り出しているのが、 |
ナレーター(高主) | 現場の管理職たちだった。 |
ト書き | (場面:オフィス清掃中。 |
ト書き | 高主が役員フロアを清掃している) |
ト書き | (悪田部長が目も合わせず通過) |
悪田 | 「…あ、そこは念入りにな。 |
悪田 | 役員フロアはホコリひとつ落ちてたらクビだぞ。 |
悪田 | まぁ、お前には分かんねぇか」 |
ナレーター(高主) | こいつが、今のアステリアを象徴する存在――悪田部長。 |
ナレーター(高主) | 立場の弱い人間を見下すのが“当たり前”になっている男。 |
ナレーター(高主) | 清掃員の古橋さんも、毎日のように悪田に呼び出されては、 |
ナレーター(高主) | 理不尽な説教を受けていた。 |
古橋 | 「はい…申し訳ありません… |
古橋 | すぐやり直します…」 |
ナレーター(高主) | 俺はこの会社で、すでにたくさんの“人としての線”が、 |
ナレーター(高主) | 踏みにじられていることを知った。 |
ナレーター(高主) | 父がなぜ、俺にここを見せたのか、 |
ナレーター(高主) | 今なら少し分かる気がする。 |
ナレーター(高主) | ――だから俺は、すべてを記録している。 |
ナレーター(高主) | 隠しカメラ。ボイスレコーダー。メモ帳。 |
ナレーター(高主) | いずれ来る“その日”のために。 |
シーン3:問題の発生
キャラ | セリフ |
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ナレーター(高主) | 潜入から3週間。 |
ナレーター(高主) | 毎朝5時に出社し、 |
ナレーター(高主) | 1階から役員フロアまでモップがけとゴミ回収。 |
ナレーター(高主) | それが俺の“仮の仕事”だった。 |
ナレーター(高主) | でも、本当の仕事は―― |
ナレーター(高主) | この会社の本質を暴くこと。 |
ト書き | (場面:2階会議室前の廊下。 |
ト書き | 高主がモップで床を磨いている) |
悪田部長 | 「おい!まだ終わってないのか? |
悪田部長 | お前ほんと使えねぇな。 |
悪田部長 | やる気あるのか? |
悪田部長 | …ったく、何回同じとこ拭いてんだよ」 |
ト書き | (悪田、わざと紙コップのコーヒーを床にこぼす) |
悪田 | 「ほら、また汚れたな。 |
悪田 | もう一度拭け。 |
悪田 | ちゃんとピカピカにな」 |
ト書き | (周囲の社員たち、見て見ぬふり) |
ト書き | (高主、無言でモップを取りに行く) |
ナレーター(高主) | 誰も止めない。 |
ナレーター(高主) | 誰も声をかけない。 |
ナレーター(高主) | この空気が、いちばんの“病巣”だ。 |
ト書き | (場面:清掃員控室) |
古橋 | 「高主くん、無理しないでね。 |
古橋 | あの部長、昔からそうなのよ。 |
古橋 | 去年も派遣のおばさんに、 |
古橋 | 何度もトイレ掃除させてたの。 |
古橋 | 辛くてすぐ辞めてたんだ」 |
高主 | 「……」 |
ト書き | (場面:夕方、社内の資料室。 |
ト書き | 高主がゴミを集めながら耳を澄ませる) |
社員X(小声) | 「黒川課長さ、会議費名目で、 |
社員X(小声) | 経費抜いてるって話マジか?」 |
社員Y | 「マジ。外注の支払い名義で回してる。 |
社員Y | 悪田部長もグルっぽいよ」 |
ナレーター(高主) | 聞いた。 |
ナレーター(高主) | 記録した。 |
ナレーター(高主) | こういう“何気ない会話”が、 |
ナレーター(高主) | 後に“証拠”に変わる。 |
ナレーター(高主) | 静かに、すべてを集めていく。 |
シーン4:さらなる理不尽と不正の発見
キャラ | セリフ |
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ト書き | (場面:朝7時、役員フロア。 |
ト書き | 高主が丁寧に机のホコリを拭いている) |
ナレーター(高主) | この会社に蔓延する“理不尽”は、 |
ナレーター(高主) | 思っていたよりも根深かった。 |
ナレーター(高主) | そして、それは徐々に“異常”の域へと、 |
ナレーター(高主) | 踏み込んでいった。 |
ト書き | (悪田部長がやってきて、 |
ト書き | 無言で高主の拭いた机の上にコーヒーを再びこぼす) |
悪田 | 「何度拭かせりゃ気が済むんだ? |
悪田 | ん? |
悪田 | それともアレか? |
悪田 | お前、清掃員って仕事をナメてんのか?」 |
ト書き | (高主、黙って布を取って床を拭く) |
悪田 | 「おい、そこのバケツ持ってこい」 |
ト書き | (高主が持ってくると、 |
ト書き | 悪田がいきなりバケツの水を床にぶちまける) |
悪田 | 「床が濡れてると掃除しがいがあるだろ? |
悪田 | ははっ、さあ、もう一回最初からやれや」 |
ト書き | (まわりの社員たちは目を伏せて通り過ぎる) |
ナレーター(高主) | これが“教育”という名で行われる、 |
ナレーター(高主) | 職権の乱用。 |
ナレーター(高主) | 誰も止めない。 |
ナレーター(高主) | 止めたら、次は自分が標的になるからだ。 |
ト書き | (場面:昼、地下の清掃員休憩室) |
古橋 | 「目立たない方がいいよ、高主くん。 |
古橋 | ここでは、おとなしくしてるのが、 |
古橋 | “生き残る”方法なの。 |
古橋 | 私たちみたいな人間は、 |
古橋 | 仕事を失ったらもう行き場がないのよ…」 |
ト書き | (高主、小さくうなずく) |
ナレーター(高主) | 理不尽に耐えることが、 |
ナレーター(高主) | 生きるための“スキル”になっている。 |
ナレーター(高主) | そんな世界が、この会社の片隅に、 |
ナレーター(高主) | 確かに存在していた。 |
ト書き | (場面:役員室の掃除中。 |
ト書き | 高主が机の引き出しを何気なく開けた時――) |
ナレーター(高主) | そこで俺は、見てはいけないものを見た。 |
ト書き | (悪田部長のデスク引き出し内。 |
ト書き | 大量の高級ブランドの領収書と、 |
ト書き | 「清掃費名目 支払先:アオイ整備会社」と書かれた帳簿コピー) |
ナレーター(高主) | ……この請求書、見覚えがある。 |
ナレーター(高主) | さっき資料室で耳にした、 |
ナレーター(高主) | 裏金づくりの手口。 |
ナレーター(高主) | 本来、業務委託会社へ支払われる“清掃費”が、 |
ナレーター(高主) | ここで“誰か”と分配されてる。 |
ト書き | (高主、スマホで証拠の写真を撮る) |
ト書き | (場面:別日、マーケティング部のオフィス清掃中) |
社員Y | 「うちの部長、会議のたびに、 |
社員Y | “飲み代”水増ししてるんだぜ。 |
社員Y | どうせバレねーってさ。 |
社員Y | 最近じゃ、清掃員の人件費も勝手に削って… |
社員Y | 飲み代アップだってよ、マジで笑うわ」 |
ト書き | (高主、表情ひとつ変えず、 |
ト書き | 会話を聞き流すフリをしながら録音中) |
ナレーター(高主) | 彼らにとって、俺たちは“見えていない”存在。 |
ナレーター(高主) | だからこそ、すべての裏側が見える。 |
ナレーター(高主) | 聞こえる。 |
ナレーター(高主) | これはもう、“個人の悪”ではない。 |
ナレーター(高主) | 組織の病だ。 |