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データを集めると何が変わる?文化祭の売上でわかる「データ基盤」の役割

データを集めると何が変わる?文化祭の売上でわかる「データ基盤」の役割

「売上を記録するのはわかるけれど、わざわざ集めて整理する意味はあるの?」

Google Cloudを学び始めると、使い方の前に、この疑問が出てくるかもしれません。

今回は、文化祭でジュースとクッキーを販売する場面から考えてみましょう。道具の操作より先に、「何のためにデータを使うのか」をつかむ回です。登録やプログラミングは不要。説明と練習に使う記録は、すべて架空のものです。

この記事でわかること

  • 記録を集めると、どんな困りごとを減らせるのか
  • 売上の数字だけでは、わからないこと
  • データ基盤を作る目的と、小さく始める方法

最初に4コマ:売上だけで、明日の準備は決まる?

①→②→③→④の順に読んでね。スマホでは上から順に並びます。

  1. 明日は何を用意する?

    1コマ目。SAIちゃんが文化祭の売店で補充について考え、かずまが隣で話を聞く。

    SAIちゃんジュースとクッキー、明日はどれくらい用意しよう?

  2. 記録は別々の場所に

    2コマ目。販売と在庫を表す記録が別々の机にあり、SAIちゃんとかずまが見比べる。

    SAIちゃん売上の紙と、在庫のメモが別々だ……。

  3. 同じ日の記録を合わせる

    3コマ目。SAIちゃんとかずまが販売記録と在庫記録を一つの作業台にそろえる。

    かずま僕なら、同じ日の売上と在庫を並べてみるよ。

  4. 売上だけでは見えないこと

    4コマ目。空のジュースの在庫と売上記録を見て、SAIちゃんが売り切れの影響に気づく。

    SAIちゃん途中で売り切れたなら、もっと欲しい人がいたかも!

漫画は架空の記録を使った学習の会話例です。SAIちゃんは読者と一緒に試し、かずまは少し先を歩く先輩として隣で考えます。

まず結論:記録を集めるのは「次にどうするか」を考えるためです

データを集める目的は、記録の山を大きくすることではありません。「次は何を用意するか」「どこを直すか」を、確かめられる材料を使って考えるためです。

たとえば、文化祭でジュースが売り切れたとします。

「たくさん売れた気がするから、明日はもっと買おう」でも、話し合いはできます。でも、何時に売り切れたのか、何杯用意していたのかがわかると、考える材料が増えます。

その材料となる記録を、必要なときに取り出し、同じルールで比べられるようにする仕組みが、データ基盤です。

集め方、保管場所、書き方のルール、見てよい人の決まりまで含めて考えます。大きな倉庫のようなシステムだけを指すわけではありません。

「売れた数」が同じでも、状況は違います

文化祭が15時に終わるとして、次の架空の記録を見てみましょう。

商品 その日に売れた数 用意した数 在庫についての記録
ジュース 30杯 30杯 11時に売り切れ
クッキー 30袋 40袋 15時に10袋残った

売れた数だけを見ると、どちらも30です。

でも、ジュースは11時から販売できていません。午後にも買いたい人がいた可能性があります。一方、クッキーは最後まで買える状態でした。

ここから言えるのは、「販売数は同じでも、売れ方の条件は違う」ということです。

「ジュースを何杯追加すればよいか」までは、この表だけでは決まりません。 売り切れ後に買おうとした人の数や、翌日の来場者数などはわからないからです。

SAIちゃん:同じ30個でも、途中で売り切れたのか、最後まで売っていたのかで、考え方が変わるんだね。

数字を合わせるだけでなく、その数字がどんな状況で生まれたかを見る。それが、次の行動を考える助けになります。

売上の記録と在庫・時刻の記録を合わせ、補充を考える材料にするSAIちゃんとかずま
売上の記録と在庫・時刻の記録を合わせ、補充を考える材料にするSAIちゃんとかずま

記録がバラバラだと、同じ確認を何度もすることになります

売上はレジ係の紙、在庫は準備係のノート、営業時間は連絡メモ。こうなっていると、質問のたびに別々の人へ聞く必要があります。

しかも、ある人は午前中の売上、別の人は一日分の売上を使っていたら、話がかみ合いません。

ここを、パークの売店で考えてみましょう。各売店が自由な書き方で報告すると、園内全体の状況を確かめるスタッフは大変です。同じ日付、同じ商品の呼び方、同じ集計範囲で受け取れると、確認しやすくなります。

よくある困りごと そろえておきたいこと
記録がどこにあるかわからない 保存先と担当者
人によって合計が違う 対象の日付、時間帯、数え方
昨日の記録を今日の状況だと思う いつ更新したか
関係のない人まで中身を見られる 利用できる人と範囲

データ基盤に取り組む意義の一つは、このような毎回の探し物や、確認のやり直しを減らせるようにすることです。

企業向けの道具の一つに「データウェアハウス」があります。Google Cloudの公式説明では、複数の場所にあるデータをまとめ、分析や報告に使う仕組みとして紹介されています。データ基盤全体の中で、分析用のデータを扱う役割を担います。Google Cloud公式:データウェアハウスとは

大切なのは「集める量」より「答えたい質問」です

何でも集め始めると、使い道のない記録が増えます。管理する手間も、見られてよいか確認する負担も増えてしまいます。

まずは、答えたい質問を一つ決めてみましょう。

文化祭なら、「明日の補充について、何を確認したいか」。ブログなら、「どのテーマをどれだけ書いているか」。仕事なら、「どの作業に時間がかかっているか」でもかまいません。

質問が決まると、必要な記録を選びやすくなります。

たとえば「どの商品がいつ売り切れたか」を知りたいなら、商品名、日付、売り切れ時刻が必要です。お客さんの名前や住所は、その質問に答えるためには必要ありません。

5分で試す:質問と必要な記録を結び付けてみよう

紙やメモ帳を用意してください。今日はGoogle Cloudの画面を開かずに進められます。

手順1:「何を知りたいか」を一行で書く

今回は「明日のジュースの補充を考えるために、今日の売り切れ状況を知りたい」と書きます。

手順2:必要そうな項目を選ぶ

最初は次の4つから考えてみましょう。

  • 商品名
  • 用意した数
  • 売れた数
  • 売り切れた時刻。売り切れなかった場合は、そのことがわかる記録

複数の日を比べるなら、日付も必要です。「いつの記録か」を残すことを忘れないようにしましょう。

手順3:この記録だけでは、わからないことを書く

「売り切れ後、何人が買おうとしたかはわからない」と書いてみます。

ここまでできたら、データから言えることと言えないことを分ける練習になっています。次に必要な記録を相談するときにも役立ちます。

手順4:誰が、いつ記録するかを決める

たとえば、「販売係が売り切れたときに時刻を記録し、終了時に準備係と数を照合する」と決めます。

これは練習用のルール例です。実際には担当者が無理なく続けられる方法を相談してください。仕組みは、記録してくれる人がいて初めて動きます。

最初から大きなシステムを作らなくても大丈夫です

3件の記録を一度だけ比べるなら、紙や表計算ソフトで間に合うこともあります。

一方、毎日データが増える、複数の人が使う、同じ集計を何度もする、といった状況では、集め方や更新を仕組みにする価値が出てきます。

Google Cloudには、そのために組み合わせて使えるサービスがあります。たとえばBigQueryは、データの管理や分析に使えるサービスです。ただ、道具を選ぶ前に「何を知りたいか」「どう記録するか」を考える順番は変わりません。Google Cloud公式:BigQueryの概要

この回の練習では、課金設定も実際のサービス操作も行いません。クラウドを使う回では、その回に必要な準備と料金の確認方法を扱います。

集める前に気をつけたいこと

  • 今回は架空のデータを使い、本物のお客さんの個人情報や会社の未公開資料を練習へ持ち出さない。
  • 記録がないことを、勝手に「0だった」と置き換えない。
  • 集計の対象期間や更新時刻を確かめる。
  • 数字がそろっただけで、売上や成果が上がると決め付けない。

AIに整理を手伝ってもらう場合も、個人情報や機密情報は入力しません。回答をそのまま正解にせず、元の記録と照らし合わせて確認しましょう。外部のデータを使うときは利用条件も確認してください。

かずまの実践メモ:僕なら「増やす前に、使い道」を決めます

僕なら、最初に一枚の紙へ「知りたいこと」「必要な記録」「まだわからないこと」の3つを書きます。

文化祭の例なら、販売数だけを見て仕入れを増やす前に、「何時に売り切れた?」「その後にも注文があった?」を確認したいところです。

ブログでも、閲覧数が多いという理由だけで、そのテーマを増やすと決める必要はありません。集計した期間や、記事を出してからの日数も見ながら考えます。

データは、考えるときの手がかりです。最後にどうするかは、現場の状況や制約も合わせて判断します。

今日の一歩:自分の質問を一つ選ぼう

「〇〇を決めるために、△△を知りたい」と一行で書いてみてください。

次に、その質問へ答えるための記録を3つ挙げます。今は持っていない記録があっても大丈夫。何が足りないか見えたことも、前進です。

次回は、記録を集める入口から、使う人へ届けるまでの「データ基盤の全体像」を見ていきます。

最後に4コマ:まずは「知りたいこと」を一つ

①→②→③→④の順に読んでね。スマホでは上から順に並びます。

  1. 質問を一つにする

    1コマ目。SAIちゃんがノートへ知りたいことを書き、かずまが隣で聞く。

    SAIちゃん明日の補充のために、売り切れた時刻を知りたいな。

  2. 必要な記録を選ぶ

    2コマ目。SAIちゃんが飲み物、時計、在庫を表すカードを選び、かずまがメモを見る。

    かずま商品、売上、在庫の時刻。何が必要か選ぼう。

  3. わからないことも残す

    3コマ目。SAIちゃんが売上と時刻のカードを空の在庫トレーと見比べ、かずまがうなずく。

    SAIちゃん売り切れ後、買いたかった人の数は、まだわからないね。

  4. 紙から始められた

    4コマ目。SAIちゃんとかずまが小さな記録表を前に、次に学ぶ入口の地図を広げる。

    SAIちゃんまず何を記録したいか、紙でも考えられたよ!

漫画は架空の記録を使った学習の会話例です。SAIちゃんは読者と一緒に試し、かずまは少し先を歩く先輩として隣で考えます。

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