データエンジニアリングとは?Google Cloudを学ぶ前に知りたい「データの整え方」|Google Cloud入門 第00回

「Google Cloudでデータを扱えるようになりたい。でも、データエンジニアリングって何から学べばいいの?」
BigQuery、SQL、データ基盤。初めて見る言葉が続くと、入り口で止まってしまいますよね。
まずは、身近な記録を整理するところから考えてみましょう。今回は、難しい数式やプログラムは使いません。Google Cloudへの登録も不要です。
この連載では、データを集めて、整理して、使えるようにする流れを、一つずつ学んでいきます。
この記事でわかること
- データエンジニアリングは、何のための仕事なのか
- データ分析とは、何が違うのか
- Google CloudとBigQueryは、どんな役割なのか
- パソコンの設定をせずに試せる、データ整理の練習
最初に4コマ:記録があれば、すぐ集計できる?
①→②→③→④の順に読んでね。スマホでは上から順に並びます。
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記録を集めたけれど
![1コマ目。SAIちゃんが机に散らばる販売記録を前に戸惑い、かずまが隣で話を聞く。]()
SAIちゃん売上の紙がいっぱい。これを足せばいいのかな?
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同じ商品なのかな?
![2コマ目。SAIちゃんがオレンジの飲み物を示す2枚の記録を見比べ、かずまが手帳を開く。]()
SAIちゃん「オレンジ」と「オレンジジュース」は、同じ商品?
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意味を確認してみる
![3コマ目。SAIちゃんとかずまが売店で飲み物と記録を見比べ、商品の意味を確認する。]()
かずま僕なら、まず売った人に聞いてから、名前をそろえるよ。
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使える形が見えてきた
![4コマ目。SAIちゃんが飲み物とクッキーの記録を分けて並べ、かずまが隣で見守る。]()
SAIちゃんなるほど。計算の前に、記録を確かめるんだね!
漫画は架空の記録を使った学習の会話例です。SAIちゃんは読者と一緒に試し、かずまは少し先を歩く先輩として隣で考えます。
目次
まず結論:データを「安心して使える状態」にする仕組みづくりです
データエンジニアリングとは、データを集め、整理し、必要な人が使えるようにする仕組みづくりです。
たとえば、お店の売上を調べたいとします。
売上の記録があっても、商品名がバラバラだったり、同じ注文が二重に入っていたりすると、正しい合計を出せません。
そこで、記録を集めて、書き方や間違いを確認し、調べやすい形に整えます。毎日新しい記録が増えるなら、同じ作業を繰り返せる仕組みも作ります。

ここでいう「使える状態」には、見やすさだけでなく、内容の正しさ、必要な時刻までに届くこと、見てよい人だけが見られることも含まれます。
まずは「データを使うための下準備と、その仕組みを作ること」と考えてみてください。
SAIちゃん:園内の売店から記録を集めても、名前がバラバラだと、人気の商品がわからないんだね。
パークの各売店から記録を受け取り、同じルールで整理して、集計する人へ届ける。その裏側の流れを作るイメージです。
文化祭の売上で考えると、役割が見えてきます
あなたのクラスで、文化祭にジュースとクッキーを売ったとします。
販売係が残した記録は、次のとおりです。これは説明用の架空のデータです。
| 記録した人 | 商品名 | 売れた数 |
|---|---|---|
| Aさん | オレンジジュース | 10 |
| Bさん | オレンジ | 8 |
| Cさん | クッキー | 12 |
「いちばん売れた商品は何?」と聞かれたら、どう答えますか?
表だけを見ると、12個売れたクッキーに見えます。
でも、Bさんの「オレンジ」がオレンジジュースのことなら、ジュースは合計18個です。答えが変わりますね。
ここで必要なのは、すぐに足し算することより、Bさんに「どの商品を指している?」と確認することです。
確認して同じ商品だとわかったら、商品名をそろえます。元の記録も残しておくと、後で変更した理由を確かめられます。
計算を始める前に、計算してよい状態かを確認する。これも、データを扱う大切な仕事です。
データ分析との違いは「どの作業を担当するか」です
文化祭の例で比べてみましょう。
| 役割 | 文化祭での例 |
|---|---|
| データエンジニアリング | 記録を集め、商品名をそろえ、集計できる状態にする |
| データ分析 | 商品ごとの販売数を比べ、人気商品や売れ方を調べる |
実際には、一人が両方を担当することもあります。
たとえばブログでも、「記事ごとの閲覧数を集める」「記事の一覧と結び付ける」「毎週同じ条件で集計する」といった準備があります。そのデータを使って、よく読まれているテーマを考えるのが分析です。
ただし、閲覧数だけで読者の満足度まではわかりません。数字が何を表していて、何まではわからないのかも、一緒に考える必要があります。
Google CloudとBigQueryは、どんな役割?
Google Cloudは、インターネットを通じて使う、Googleのクラウドサービス群です。
この連載では、その中のBigQuery(ビッグクエリ)を中心に、データを扱う練習を進めます。
BigQueryは、データを管理し、集計や分析ができるサービスです。SQL(エスキューエル)という言語で、「商品ごとの販売数を合計して」といった処理を書けます。分析用のサーバーを利用者が自分で用意・管理する負担を抑えて使えることも特徴です。Google Cloud公式:BigQueryの概要
最初に出てくる言葉は、次の3つだけ押さえておきましょう。
| 言葉 | 最初の理解 |
|---|---|
| Google Cloud | データなどを扱うためのサービスがそろった場所 |
| BigQuery | その中で、データの保存や集計・分析に使うサービス |
| SQL | データの取り出し方や集計方法などを書くための言語 |
この先は、おおむね「記録を集める → 保存する → 整える → 集計する → 結果を使う」という流れを学びます。実際の仕組みによっては、保存と加工の順番が変わることもあります。
BigQueryを使うだけで、元の記録の意味まで自動で正しくなるわけではありません。「オレンジ」が何の商品かは、記録を管理している人への確認が必要です。
初心者がつまずきやすい3つの思い込み
1.最初から全部のサービスを覚えようとする
サービス名を一度に覚えなくても大丈夫です。
まずは「何を調べたいか」「そのために何の記録が必要か」を言葉にしてみましょう。使う道具は、目的に合わせて学べます。
2.見た目がそろっていれば、正しいデータだと思う
きれいな表でも、同じ注文が二重に記録されているかもしれません。
商品名だけでなく、数の抜け、重複、集計した期間なども確認します。空欄は「0個」とは限りません。「まだ確認できていない」という意味かもしれないからです。
3.すぐにプログラミングが必要だと思う
仕事として取り組むと、SQLやプログラミングが必要になる場面はあります。
ただ、今回の目的は、データを整える意味をつかむことです。まずは紙や表計算ソフトで十分に練習できます。
5分で試す:ブログの記事一覧を整えてみよう
ここからは、架空のブログ記事を使います。紙、メモ帳、表計算ソフトのどれかを用意してください。
手順1:調べたいことを一つ決める
今回は「どのテーマの記事が多いか?」を調べます。
調べる対象は、次の3記事だけです。
| 記事ID | 記事タイトル | テーマ |
|---|---|---|
| 001 | 晩ごはんの献立を考える | 日常 |
| 002 | 仕事メールの下書きを作る | 仕事 |
| 003 | 冷蔵庫の食材から料理を考える | くらし |
記事IDは、一つの記事を見分けるための番号です。
手順2:言葉の意味を確認して、分類のルールを決める
「日常」と「くらし」は、同じテーマとして数えてよいでしょうか?
この練習では、どちらも「日常生活」としてまとめるルールにします。「仕事」は、そのままにします。
実際のデータでは、元の分類を作った人や分類表を確認しましょう。元データとは別の列に整理後の分類を残すと、変更内容を確認しやすくなります。
手順3:テーマごとに数える
| 整理後のテーマ | 記事数 |
|---|---|
| 日常生活 | 2 |
| 仕事 | 1 |
これで、「この3記事の中では、日常生活の記事が多い」と答えられます。
今回したことは、目的を決め、分類を確認し、表記をそろえてから数える作業です。大きなデータを扱うときも、この考え方が土台になります。
練習で避けたいこと
- 意味を確認せず、似た名前を同じものとしてまとめる
- 空欄を、理由を確認せずに0へ変える
- 元の記録を上書きし、何を直したかわからなくする
- 練習のために、本物の顧客情報や会社の未公開データを持ち出す
学習には、今回のような架空のデータを使いましょう。
AIに整理を手伝ってもらう場合も、個人情報、会社の秘密、未公開資料は入力しません。AIの提案や計算結果は元の記録と照らし合わせて、人が確認します。外部の資料やデータを使うときは、利用条件や著作権も確認してください。
今回は医療・法律・投資などの判断に使う練習ではありません。そうした用途では、データの集計だけで判断せず、公式情報や専門家に確認しましょう。
かずまの実践メモ:僕なら「何を知りたいか」から書きます
僕なら、サービスの使い方を調べる前に、ノートに次の3つを書きます。
- 何を知りたいか
- そのために、どんな記録が必要か
- どこを確認すると、間違いに気づけそうか
たとえば「ブログでどのテーマを書いているかを整理したい」なら、まず必要なのは記事一覧と分類のルールです。最初から複雑な仕組みを作る必要はありません。
まずは3件ほどの小さな表で、整える前と後を比べてみましょう。ツールを覚える前にも、練習できることはあります。
今日の一歩:「何を調べたいか」を一行で書いてみよう
今日の一歩は、「〇〇を知るために、△△の記録を整理したい」と一行で書くことです。
たとえば「家でよく作る料理を知るために、1週間の献立を整理したい」でもかまいません。
その目的に必要な項目を3つ考えてみましょう。日付、料理名、朝昼晩の区分などです。自分で項目を選べたら、最初の練習はできています。
次回は、文化祭の売上と在庫を例に「データを集めると、何が変わるのか」を考えます。記録を次の行動に役立てる意味を、一緒に見ていきましょう。
最後に4コマ:今日の一歩は、小さな表から
①→②→③→④の順に読んでね。スマホでは上から順に並びます。
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知りたいことを一つ
![1コマ目。SAIちゃんがノートを開いて調べたいことを考え、かずまが隣で聞く。]()
SAIちゃんブログで、どのテーマの記事が多いか知りたいな。
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練習は3記事から
![2コマ目。SAIちゃんが料理と仕事を表す3枚の架空の記事カードを選び、かずまが手帳を確認する。]()
かずま僕なら、まず架空の記事3本で、分類のルールを決めるよ。
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ルールに沿って数える
![3コマ目。SAIちゃんが料理のカード2枚と仕事のカード1枚を分け、かずまが隣でうなずく。]()
SAIちゃん今回は「日常」と「くらし」をまとめるから、2本だね。
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次の入口へ
![4コマ目。整理したカードを前にSAIちゃんが小さく喜び、かずまが次の入口を示す地図を持つ。]()
SAIちゃんデータを整える意味がわかった! 次は記録の使い道を考えよう。
漫画は架空の記録を使った学習の会話例です。SAIちゃんは読者と一緒に試し、かずまは少し先を歩く先輩として隣で考えます。




